著者
木戸 康博 小林 ゆき子
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 : 日本静脈経腸栄養学会機関誌 = The journal of Japanese Society for Parenteral and Enteral Nutrition (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.773-782, 2010-05-25
参考文献数
70

たんぱく質は生命の維持に最も基本的な物質であり、組織を構築するとともに、様々な機能を果たしている。たんぱく質欠乏症として、たんぱく質・エネルギー栄養失調症が知られている。たんぱく質の欠乏や不足を回避する指標として、窒素出納法により推定平均必要量と推奨量が、乳児においては、母乳のたんぱく質含有量から目安量が策定されている。たんぱく質の耐容上限量は、たんぱく質の過剰摂取により生じる健康障害との関係を根拠に設定されなければならない。しかし現時点では、耐容上限量を策定しうる十分な根拠が見当たらないので、耐容上限量は設定されていない。たんぱく質の目標量は、たんぱく質摂取量と生活習慣病との関係を根拠に設定されなければならない。しかし現時点では、たんぱく質の目標量量を策定しうる十分な根拠が見当たらないので、目標量は設定されていない。アミノ酸の食事摂取基準として、成人の不可欠アミノ酸の推定平均必要量が策定されている。
著者
小山 諭 森 直治 LJUNGQVIST Olle FEARON Ken SOOP Mattias DEJONG CHC
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 : 日本静脈経腸栄養学会機関誌 = The journal of Japanese Society for Parenteral and Enteral Nutrition (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.723-735, 2011-03-25
参考文献数
80

手術や外傷に伴うストレス反応は、生体にとって本来、有益な現象であるが、制御を失うと有害なものとなる。患者を手術から早期に回復させ、手術アウトカムを最良のものにするために、侵襲を最小限にし、栄養管理をはじめとする集学的な周術期管理を行うことが重要である。ERAS (Enhanced Recovery After Surgery) プログラムと呼ばれるこのモダンな周術期管理は、術前絶食期間を最短として炭水化物の負荷を行い、術前腸管のプレパレーションや術後経鼻胃管留置を回避し、胸部硬膜外ブロックや非オピオイド性の鎮痛薬投与による鎮痛、早期経口摂取・早期離床の励行、適正な周術期の輸液・血糖管理、術前低栄養の是正等を行うことにより、術後の回復に有害な種々の生体反応、インスリン抵抗性や腸管麻痺を軽減し、手術侵襲からの早期回復と良好な手術アウトカムをもたらす。
著者
三浦 あゆみ 辻仲 利政 今西 健二 白潟 初美 櫻井 真知子 森岡 亜希子 辻阪 真衣子 梶原 絹代 上野 裕之 三嶋 秀行
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 : 日本静脈経腸栄養学会機関誌 = The journal of Japanese Society for Parenteral and Enteral Nutrition (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.603-607, 2010-03-25
参考文献数
15

【目的】近年、外来化学療法患者が増加しているが、栄養状態の実態は明らかではない。【方法】今回、外来化学療法施行中の312症例(女性218例、男性94例)を対象に、簡易栄養スクリーニング法SNAQ(Short Nutritional Assessment Question)を用い、栄養状態を調査した。【結果】質問3項目のうち2項目以上該当した栄養介入必要群は51例(16%)であった。血清アルブミン値、ヘモグロビン値、小野寺の予後指標は、介入必要群で有意に低下していた。「食欲低下」項目該当患者の割合は、1項目該当群78例のうち73%、2項目該当群31例中では100%であった。男女別の比較では、血清アルブミン値、小野寺の予後指標は男性で有意に低下していた。疾患別では、下部消化管癌に栄養介入が必要な患者が多かった。【結論】今回の調査で、外来化学療法患者には栄養評価と栄養介入が必要であり、食欲低下への対策が重要であることが示唆された。